2016年10月15日

◆猫と『Fake』◆

◆猫と『Fake』◆

 仕事にも飽きたので夕飯食べて『アミューあつぎ映画.comシネマ』に森達也監督の『Fake』をやっと観に行く。

 久しぶりの本厚木。はるか昔は本厚木にも映画館は何箇所かあって、中に入ると中がオヤジどもがたばこを吸いまくり煙が充満している状態で観るハメになる。そんな楽しい思い出のある本厚木の映画館だけども『アミューあつぎ映画.com』はちょっと前にパルコが逃げ出した建物に入っている小奇麗な映画館。まぁ、厚木にパルコは似合いませんかね。スクリーンは3つあって一番小さい58席のところで上映。映画館のおねえさんが監督と作品の概要を説明して上映開始します。

 テレビをあまり見ないんで佐村河内さんの事件も概要的にニュースで見たことしか知らないままで『Fake』を観ました。ほとんどがマンションの自宅内で撮影されており、佐村河内さんと奥さんと猫の日々が緊張と緩和の中で綴られていきます。

 森監督との奥さんを介しての会話やテレビのスタッフが番組出演依頼と海外メディアの取材などがヒリヒリとした空気の中で行われていきますが、そのヒリヒリした空気感はなんだろうと考えると、皆が「信用して欲しい」と言う言葉で佐村河内さんとの関係を作ろうとします。物事が0と100では無いように信用出来る出来ないでは割り切れないまま出演交渉や取材を受けているのが、マンションの一室での圧迫感ある映像が相まって佐村河内さんの感情がフィードバックされているのかもしれないですね。

 その一方で何故か豆乳を大好きだからとがぶ飲みして食事をする佐村河内さんと奥さん二人の食事のぼんやりしたちょっと可笑しな怠惰な空気感。この部屋だけが夫婦の世界であり部屋から出ることのない猫と対比させていく姿は、感傷的な感じが広がっていきます。そう考えるとその部屋に他人が入ることが自体が佐村河内さんにとってはストレスなのかも。

 この映画のツボは佐村河内さんの奥さんでしょう。献身的に生活を支えつつも、彼女がどこまで何を知っていたのか何も知らなかったのか映画の中では掘り下げられることはないですが、二人の夫婦生活には嘘はないようにも見えました。そう思わせるのも込みで森監督自身も佐村河内さんの映画というより夫婦の映画にしたかったのではないだろうか、とか考えてみたり。ちなみにお客さんが来るたびに奥さんがケーキを振る舞うのがちょっと笑えます。
 
 そしてもう一つのツボは森監督が仕掛けたラストに向かってのエピソードとエンドロールの後のカットでしょう。色々と動くタイミンがあったにもかかわらず動かない佐村河内さんにある提案をして、ドキュメンタリーとして感動的な終わり方が出来るそのドラマを、最後にもう一度不穏な空気感にさせたまま終わらせます。

 自分自身は佐村河内さんの事件がそこまで大きく騒ぐものとは思えないし、過分に障害者差別も入り交ざっているような感じもします。小難しいことはわかりませんが、この映画は色々な見方ができるので森監督がどこかのインタビューで語っていた「新潮」や「文春」的な事実や真実を求めるのではなく、マスコミが切り捨てる余白の部分を考えることが出来る映画なのではないでしょうか(・∀・)

 出演者の中で「嘘」を言っていないのは猫だけかも(ΦωΦ)

ヽ(´ー`)ノ☆☆☆☆☆ヽ(´ー`)ノ


 森達也監督の本も面白いですよヽ(´ー`)ノ
posted by KIKI at 13:08| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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